筆記試験にさえ合格すれば良い。こんな時代はとっくに終わっています。
公務員になるためには、面接対策は最も重要です。
なぜなら、公務員試験における面接重視の傾向が年々高まっているからです。
多くの自治体で筆記試験を足切りとし、2次試験以降の結果で合否を決めるリセット方式が採用されていると言われています。
極端な例として
2007年度実施の試験より、1次試験の専門試験(択一式)を廃止しました。また、教養試験においても出題範囲を変更し、 事前の公務員試験対策を必要としない内容とし、より人物重視の試験内容となっています。(明石市)
引用:自治体通信online
といったように、筆記試験を無くしてしまう自治体も現れています。
また、実感として、ただ黙々と与えられた仕事をこなすのではなく、同僚や他部署と協力して施策を進められる、協調性のある人材が重宝されています。
「筆記さえ高得点を取れば余裕」なんて思っていると確実に足元をすくわれます。
この記事では、どのような公務員試験の面接対策をすれば良いか、県庁にトップ3の成績で合格し、約10年勤務した筆者が、失敗しないため抑えるべきポイントを5つ紹介します。
公務員試験の面接にはどんなものがある?
公務員試験の面接では、多くの場合、いわゆるコンピテンシー型の面接が実施されます。
コンピテンシー型面接とは、ざっくりいうと
「過去の経験を掘り下げ、その時どのように考えて行動したか」を問うことで、問題解決力、コミュニケーション能力、リーダーシップなどがあるかを見極める面接のこと
民間の就活とほとんど同じと思ってもらえれば良いです。
実施される面接の種類は、
- 個人面接
- 集団面接
- グループワーク(集団討論)
- 1人(受験者)対複数の面接
といったオーソドックスなものです。
とはいえ、舐めてかかると痛い目にあいます。僕が公務員の面接を舐めて痛い目にあった体験談はこちら
面接に合格するための5ステップを順番に解説
筆記試験の対策をしながらの面接はかなり大変です。なので、ポイントを押さえて効率よく対策をしましょう。
①志望する自治体等の仕事を知る
まずは公務員の仕事を知りましょう。
なぜなら「志望動機」を考えるとき、あなたの経験がどんな業務に役立つか、仕事を知らずに答えられますか?自分の強みはあなたの志望先のどの業務に活かせますか?
このような質問に自問自答を繰り返していくために、希望する自治体の実態を知ることは必須です。
自治体研究の方法としては以下のようなことが考えられます。
- 公務員の知人に聞く
- 専門誌や関連する本を読む
- 実際に足を運んでみる
- 公務員予備校などで聞いてみる
僕は当時、公務員の知人がいなかったので、月刊ガバナンス 2021年 04 月号 [雑誌]といった公務員向けの雑誌や公務員1年目の教科書のような公務員向けの書籍を買って勉強しました。
また、公務員予備校は合格者の声を集めているので、講師などに聞いてみても良いかもしれません。
ここである程度公務員の仕事を具体的にイメージすることで、自分の強みや経験が、その自治体などでどのように生かせるのかを面接で効果的にアピールできると思います。
②自己分析を徹底的に行い、志望動機を固める
自己分析とは、自分のこれまでの経験を掘り下げ、具体化していく作業を通じて、自分の強みや志望動機を作り上げる過程のことです。
面接を突破するための全ての基礎作業となります。
「でもどうやって自己分析をしたらいいかわからない」という方は、ストレングスファインダーを使いましょう。
このストレングスファインダーは177問のテストに答えることで、自分の強み(上位資質)トップ5がわかるというものです。※ただしこの本にはアクセスコードが付属しており、中古本は使用できないので注意。
また、無料で自己分析を行いたい人はミイダスなどのコンピテンシー診断を使うと良いと思います。登録するだけで、職務適性やパーソナリティの特徴、ストレス要因などを無料で分析してくれます。
これらのテスト結果を元に、自己PRや志望動機を作りましょう。
しっかりと自己分析し、自分の強みを理解できていれば、面接でイレギュラーな質問をされた時にも焦らずに答えることができます。
③よく聞かれる質問を押さえて回答を用意する
僕が考える良く聞かれる質問ベスト10です。
- 自己PRをしてください
- 志望動機を教えてください
- あなたが考える民間との違いは
- なぜ民間ではなく公務員なのですか
- 今の学校や仕事で頑張ったことはなんですか
- 長所と短所を教えてください
- 筆記試験の勉強はどのようにしましたか
- 周りからどのような人と言われますか
- 時事系質問(コロナなど)
- 給料は安いと思いますがどうですか
他にもたくさんの質問が想定されますが、何を答えるかというよりコミュニケーションを成立させることを重視してください。
これは、面接での緊張や良いことを言おうとするあまり、「質問に答えていない」ことがよくあるからです。
正直、面接官は質問を受験生ごとに変えることはほとんどありません。
答える内容で差はつきませんので、コミュニケーションを重視してください。
④時事をしっかり押さえる
時事対策は面接だけでなく、グループワークや小論文でも役立つため、コスパが非常に良いです。
ただ網羅的にやるのではなく、その自治体が課題としている政策について、自分がどのように考えるか、その対策を話せるようにしておきましょう。
課題に対する答えに正解はありません。しかし、自分で考え、自分なりの答えを用意しておくことが重要です。
時事対策にオススメの書籍は
です。
多分7割くらいの受験生は使っているのではないか、というぐらい鉄板の参考書です。
⑤面接の練習を何度も繰り返す
自己分析を元に、上記のような準備をしたら、あとは場数を踏んでください。
できれば、民間企業を併願して面接を受けることをおすすめします。
僕の場合、民間企業の面接1回目は練習もせずぶっつけ本番で臨みましたが、一切コミュニケーションが成り立たないぐらい緊張してしまいました。
公務員試験の筆記を通った人はぶっつけで臨むことはないと思いますが、本番は独特の緊張感がありますので、何度も練習しておく必要があります。
練習の方法としては以下の3つがオススメです。
- 自分の姿を動画に撮ってみる
- 大学の就職支援センターを利用する
- 公務員予備校で模擬面接を受ける
特に公務員予備校は、それぞれの自治体の実際の面接データを持っています。
少しでも合格確率をあげたいなら、一度は利用を検討すると良いと思います。
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まとめ
公務員試験合格のための面接対策を解説しました。
[jin_icon_check color=”#e9546b” size=”18px”]面接>筆記
とする自治体が多くなる中、面接対策の重要度は増しています。
面接対策は、筆記試験合格後からでは遅すぎます。
効率よく面接対策を行うことで他の受験生と差をつけ、最終合格を勝ち取りましょう。
それでは。
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