こんにちは、元県庁職員で民→公→民の経験のあるみやびです。
僕は公務員時代は毎日、下記のようなことを考えて過ごしていました。
- 毎日残業続きだし、無駄な仕事が多すぎできつい
- でもせっかく公務員になって安定してるし、辞めるのもなあ…
- 第二新卒はとっくに終わってるし、転職市場では公務員は評価されないかも。
- 転職するためのスキルもないし、かといって今のまま続けると、よくて「あの課長」止まりだな
もしかしたらこの記事を読んでいる方もそうなのかもしれません。
僕は公務員を約10年続けましたが、日に日に先が見えてきていると同時に、これから30年近く同じことを繰り返すのかと辟易していました。
でも、みなさんは公務員になるために本当にめちゃくちゃ苦労したと思います。僕も民間企業で働きながら公務員に2年がかりで合格したので気持ちはよくわかります。
この記事は、公務員を辞めたいかも、と思っているあなたに向けて書いています。この記事を読むことで
- 30代公務員がどんな理由で公務員を辞めたいと思っているのか
- 公務員を辞めたい人は何をすべきなのか
がわかります。
今の環境を変えたいと思っているあなたの参考になれば幸いです。
安定している公務員を辞めたい理由
20代の頃、安定を目指してやっとの思いでなることができた公務員。なぜ辞めたいと思ってしまうのでしょうか。また、そんな人は少数派なのでしょうか。
実は、意外と「公務員を辞めたい」と思っている人は多いのです。
僕が同期や職場で仲の良かった人に辞めることを伝えると、
実は僕も辞めたいなと思ってた。応援するよ
実は転職活動をしたことがあって…僕はうまく行かなかったけどうまくいって良かったね
といったように、「自分も実は…」となることがありました。
世間一般では安定して羨まれる職業の公務員をやめたい理由は大体こんな感じです。
激務である
入庁前と最もギャップのある部分ではないでしょうか。
予算や決算、議会対応、昔から変わらない非効率な仕事のやり方…
さらにここ数年の若手社員の減少が追い打ちをかけ、若手から中堅にしわ寄せが行っています。月に100時間を超える残業も全く珍しくありませんよね。
「こんな前時代的な働き方がまだ何年も続くのか」
こう考えると辞めたいと思うのも無理はありません。
やりたい仕事がない/やりたい仕事につけない
自分がやりたいと思っていた花形の広報や観光、産業振興は花形で、ベテラン社員に占拠されています。
また、いざ希望の部署に異動になっても「思ってたんと違う…」となることもあります。
例えば、企業誘致は人気部署で、僕も民間企業の経験を生かそうと意気込んでいましたが、現実は違いました。
企業誘致部門にいた先輩から
「企業を誘致すると言ったって、ただ補助金をばらまくだけで公務員にできることなんてないよ」
と言われてがっかりしたことがあります。
先が見えてくる
ちょっと負け惜しみチックですが、30代にもなると、大体出世する人や出世する部署というのが見えてきます。
例えば
- 財政課
- 人事課
- 国への出向
といった部署を回る人は、一般的に出世頭と言われます。
「自分はそうではない」「良くてあの部長どまりだな」ということで、先が見えてくるのも30代ではないでしょうか。
公務員を辞めたいと思った人がやるべきことは
転職準備をする
「転職だなんてもったいない」「自分にはスキルが無い」
そう思うかもしれませんが、30代であればまだまだ転職は可能です。
自分もそうでしたが、実は公務員には他の人にはない隠れた強みやスキルがあるからです。
それは
- 文章力
- 適応力
- コミュニケーション能力
です。これらは、公務員の仕事をしていく中で、自然と身についています。
特に文章力は、普段から「てにをは」にこだわる上司に鍛えられ、日々作成する通知文により、人に伝わりやすい文章を作る力が高まっています。
WEBライターやブログを書くためにはこれらの力が必須ですが、できない人が意外に多いのです。
公務員に向いている職業を探すには、転職サイトを使ってみるのがおすすめです。業界大手のリクナビネクストについて、詳しくは「リクナビNEXT(ネクスト)の評判は?口コミやメリットを徹底調査しました」という記事で解説しています。
スキルアップのための勉強をする
さすがに転職は…という人は、スキルアップのための勉強をしましょう。プログラミングやWebマーケターなど、スキルを身に着けておくことで転職の道が開けることもあります。
また、資格を取ることで、「独立」という選択肢も見えてきます。
例えば、
- 行政書士
- 宅建
- 司法書士
などは公務員試験を突破したあなたなら手の届く資格です。
できる範囲で副業をする
副業をすることで、お金を得るだけでなく、スキルを身につけることができます。
ただし、もちろん公務員は副業禁止です。
しかし、
- 不動産投資(小規模)
- メルカリなどの不用品売買
- 執筆
などは副業扱いになりません。
僕のおすすめは不動産投資とブログ執筆です。
不動産投資は5棟10室までなら多くの自治体で認められており、公務員の信用を利用して融資を受けやすくなっています。中には、不動産を買い進め、不動産大家業として独立を狙っている人や実際に独立した人を知っています。
不動産投資については「不動産投資でカモと言われる公務員が、実際にやってみてわかったカモられない方法」という記事で体験談を書いています。
また、ブログも公務員にとても相性が良いです。広告を貼って広告収入を得るのは限りなくグレーですが、
- 文章力
- WEBマーケティングスキル
- SEOライティング
などが身につくし、本業とも相乗効果があるのでおすすめです。
公務員からの転職について
公務員を辞めて民間に転職する人はどれくらいいるのでしょうか。
少し古い調査ですが、総務省の「平成29年度 地方公務員の退職状況等調査 – 総務省」によれば、
普通退職者(定年等を除くもの)は、40,676人(退職者全体の33.7%)。
引用:総務省 自治行政局公務員部公務員課「平成29年度 地方公務員の退職状況等調査 – 総務省」
となっています。実はたくさんいるんですね。
僕の知り合いの公務員も年に1人か2人は転職で辞めていってました。
民間企業に転職したり、福祉など専門分野に進んだり、事業を立ち上げたりなど様々です。
在職中に転職活動はやっても問題ない?
もちろん、問題ありません。
ただし、いうまでもありませんが、天下りは禁止です。
国家公務員法第106条の3に、以下のように記載があります。
現職の職員が利害関係企業等に対して、
1.当該利害関係企業等又はその子法人の地位に就くことを目的として、
(1)自己に関する情報を提供すること
(2)地位に関する情報の提供を依頼すること
2.地位に就くことを要求又は約束すること
は禁止されています。
出典:内閣府ホームページ
利害関係者とはざっくりいうと、現在の業務において、補助金を出したり許認可をしている企業のことです。
- 許認可等を受けて事業を行っている、又は許認可等を申請(しようと)している営利企業等
- 補助金等の交付を受けて事業を行っている、又は補助金等の交付を申請(しようと)している営利企業等
- 検査等(立入検査、監査又は監察)を受けている、又は受けようとしている営利企業等
- 不利益処分をしようとする場合に名宛人となるべき営利企業等
- 行政指導により一定の作為・不作為を求められている営利企業等
- 契約(電気・ガス・水道等を除く)を締結している、又は契約の申込みを(しようと)している営利企業等
- 犯罪の捜査又は公訴の提起を受けている、又は刑の執行を受ける営利企業等
出典:内閣官房内閣人事局 「国家公務員が知っておかなければならない再就職に関する規制」
要は、業務に関係する企業への転職活動は天下りとみなされてNGということです。
天下りに該当すると判断されると懲戒処分となりますので、補助金業務や許認可業務に携わっている方は十分気をつけましょう。
また、転職活動中に同僚などに活動していることを言わないようにすべきです。
「あいつは転職活動中だ」と噂が立つと仕事がやりにくいですよね。
自分の転職市場価値を調べたり、転職先をリサーチすることは全く問題ありません。
自分の転職市場価値を知っておく
公務員から民間に転職するには、労働環境や年収の変化におけるリスクがあります。
しかし、転職活動自体はほぼノーリスクです。
30代であれば転職も十分視野に入ります。
ただし、公務員の転職活動は注意が必要です。
先ほど書いたように、第三者からみて天下りと判断されないように注意しましょう。具体的には、ご自身の業務に関わりのある業種・企業との接触を避ける必要がありますね。
僕は公務員時代、リクナビNEXTに登録していました。
まずできることから動いてみることが大切
公務員は今の時代、誰もがうらやむ安定性があります。
でも、正直なところ、このまま公務員を続けていても現状は変わりませんし、定年まで経済的自由に到達するのは難しいでしょう。
「思い切って辞める!」というのはおすすめしませんが、働きながらの転職活動や、スキルアップのための勉強をしておくことで、少しずつ現状は変わります。
僕は30代前半に、「このまま公務員を続けていても先がない」と思い、不動産投資やブログを始め、現在は公務員時代よりずっと幸福度が高い生活を送ることができています。少しずつでも行動した結果だと思っています。
もし現状に少しでも不満があり、変えていきたいのであれば、少しずつでも行動していくことをおすすめします。
それでは。
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